ごあいさつ

        富山県立富山いずみ高等学校
          
 副校長   綿 野 直 樹   

 清泉同窓会の皆さまには、日頃より本校教育活動に多大なるご支援とご協力をいただきまして心より感謝申し上げます。

 昨年来の新型コロナウィルス感染症蔓延による感染者数の増減が気になる毎日ではございますが、皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。このような状況下での本校の近況を報告させていただきます。

 昨年度は、入学式は実施できたものの一斉休校が継続となり、学校が本格的に再開できたのは六月からでした。そのため、学校行事では、体育大会を一旦は二学期に延期したものの中心となる三年生の進路実現への思いも汲み、スポーツ大会に切り替えました。また、秋の文化活動発表会は、鑑賞による密を避けるために、会場を二つの体育館や中庭と分散させ、午前午後の二回公演として鑑賞人数を少なくして実施しました。
 部活動では、その集大成となる全国高等学校総合体育大会および県予選が中止となり、せめてもと用意された代替大会も十分とは言い難いものでした。全国高等学校総合文化祭は誌上発表のみでした。最上級生にとっては、非常に未練の残る幕切れとなりました。

 令和三年の年明けは記録的な豪雪となり、交通マヒによる臨時休校を余儀なくいたしました。三年生にとっては、三学期に一度も登校できずに大学入学共通テストを受験するという試練が最後に待っていました。
 昨年は、大学入試改革元年にコロナ禍や自然災害が加わり、二重苦三重苦を堪え忍ぶ一年間でしたが、嬉しいこともありました。一見おとなしくひ弱に見える本校の生徒ですが、苦境に対してじっと耐えつつ内に熱意を秘めて地道に努力を積み重ねたものがおりました。三年生の最終的な進路状況では、卒業式後も粘り強く大学を受験し例年と同様な実績を残してくれました。
 在校生も今年になってからは、昨年失われた高校生活を取り返したいと意欲に満ち溢れています。今年の体育大会のテーマが「青春奪還」に決まりました。こういった生徒達の常に未来を見つめる前向きな姿勢を教職員一丸となって支援していきたいと思っております。

 さて、本校は今年創立百二十周年の節目を迎えます。前身である富山女子高等学校から男女共学化・学科改変に伴い、富山いずみ高等学校に変わったのが平成十四年(2001年)でした。
それからは二十年の歳月が経ちましたが、近年では富山市内はもとより近隣市町村から入学を希望する生徒も増えており、県高等女学校から脈々と受け継ぐ歴史と伝統を担い、着実に歩みを進めることができております。これも同窓会の皆さまに温かく見守られ支えていただいているお陰であります。

 終わりになりましたが、同窓会の皆さまのご健勝とご多幸を心から祈念するとともに、今後も本校教育活動への変わらぬご理解とご支援をお願いを申し上げ、ご挨拶といたします。



 
令和3年5月9日発行 清泉同窓会便り 第62号 より